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2013年 05月 13日

ロットリングのこと

新しいMACを導入しました。
それと共に、Creative Suiteも6にバージョンアップしました。
新型は画面がとても綺麗で感動的です。
CS6もインターフェイスのデザインが黒で統一されていて新鮮ですね。

こういった新しいソフトやハードに触れる度に、
昔の手作業でデザインを作っていた時代を思い出します。
印刷用の版下を、ロットリングで1本1本線を引いて作業していました。
「ロットリング」は会社名なので、正しくは「製図ペン」です。
他にも「ラピッドグラフ」など色々な種類がありましたが、
昔はどのデザイン事務所にも必ずあった物でした。

この「ロットリング」は、各種の線幅が揃っていて、
均一な太さの線が引けるので、
版下作業には欠かせない道具でした。
しかし、金属の細い管の中に、更に細い髪の毛のような金属線が通っていて、
そこからインクがしみ出して来る構造上、とても詰まりやすい物で、
よく分解して洗っていました。
2枚の三角定規を組み合わせ、
1枚を固定し、1枚をスライドさせて平行線を書いたりするのですが、
作業中でもインクが詰まったり、逆にほこりなどで線が太くなってしまうことがあるため、
その都度先端をきれいにぬぐうのですが、
私が教わった方法はなぜか、三角定規をおさえている左手人差し指の上側、
第一関節のあたりで、ペン先をぬぐうやり方でした。
確かに左手は定規から離せませんし、右手はペンを持っていますから、
一番手近にあるのは自分の左手なのですし、
下手にティッシュなど使うと、紙の繊維がペン先についてしまう可能性もあります。
毎日の作業で、左手人差し指は真っ黒になります。
洗ってもしばらくはインクが染み付いて取れませんでした。
「手の指の甲側が黒くなっている人がいたら、そいつはデザイナーだ」
などと先輩から言われたものです。
このブログを書くにあたり、ネットで少し調べてみたのですが、
同じような経験をした話は見つかりませんでした。
ひょっとして、私の近辺だけのローカルルールのような物だったのかもしれません。

DTPの進歩により、今では手作業で線を引くということは無くなりました。
均一で等間隔な直線や綺麗な楕円など、デジタルならば一瞬で出来てしまいます。
逆にフリーなタッチや荒れた線、ランダムな線などの方が、
作るのに手間が掛かる物になってしまいました。
ロットリングもデザインの業界ではほとんど使われ無くなりましたが、
イラストなどアナログで描く人などにはまだ使われているようです。

これから先も進化は続きます。
様々なタッチや表情のラインを簡単に描く事も、いずれ可能になるのでしょう。

Moriuchi/designer

写真は導入したばかりのiMac。インストール作業を終えてこれから活躍するのを待っています。

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ロットリングのこと_b0147347_9462541.jpg





















ブルックスタジオは「Forward to 1985 energy life」に賛同いたします。

by brookstudio-f | 2013-05-13 10:56


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